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とあるテナントビルの話(2)

第11話

突如として1階フロアに現れた霊体。霊能力を用いてその後を追跡してみると…

遭難者の霊

「あれっ!今、いますよっ、見えますか!」 初めに気付いて大声を上げたのは、ビルオーナーの男性でした。驚いた高倉さんがその指差した方向へ目を遣ると、管理人室の窓越しを、多く証言通りの怪しい人影が浮遊しながら横切るのが見えました。すぐに外へ飛び出したのですが、その時にはすでに霊の姿はなく、高倉さんは咄嗟に印を結び、全神経を集中して行方を透視しました。霊感の網を建物全域に張り巡らせ、男の霊の現在位置をトレースしてみたところ、やがて最上階の近辺に異様な波動が発生していることが分かり、その場で脅える一同を無理矢理に引き連れて現場へ向かいました。

8階でエレベーターを降り、さらに屋上へ続く階段付近へ向かうと案の定、その踊り場には陽炎のようにゆらゆらと揺らめきながら、こちらを無表情に見下ろす霊体の姿がありました。こんな化け物と出くわしたら、誰でも逃げ出して当たり前、と納得させるに足る見た容貌だったそうです。

一見した年齢は40代の後半から50代。地味なグレイの背広を着た、見るからにサラリーマンという風情の男。そしてまたこれも多くの証言通り、頭部が著しく損傷し、レンズの割れた銀縁眼鏡の奥からは左の眼球が半ば飛び出しているという無惨な状態でした。傷口からドロドロとした黒い血が絶え間なく床に滴り落ち、周囲には腐敗臭ともつかぬ悪臭が垂れ込めていました。

残りの全員が壁に貼り付くようにして震えている中、高倉さんは1人で階段を上がり、霊と間近に対峙する形でコンタクトを試みました。しかし相手が途切れ途切れに発する思念の内容を上手く読み取ることができず、そのうちに男の霊はまた一瞬のうちに掻き消えてしまったのです…。

ついに突きとめられた霊体出現の原因。霊能者が屋上倉庫の扉を開くと…

霊体との交信には失敗したものの、それを間近に観察できたおかげで、ようやく事態のあらましを掴み取る端緒を得た高倉さん。「やはりどこかに依代が存在している!」と、ますますそのことに対する確信を深め、再び霊体の痕跡をトレースし直しながら、屋上へと続く扉を開きました。

いざ外に出てみると、階段のある建屋の裏側にもうひとつ別の建物があるのが目に入りました。見たところ、天井が低い真四角の平屋建てで、ペントハウスと呼ぶにはあまりにも殺風景な代物でしたが、それを見るなり高倉さんの全身を激しい悪寒が走りました。その日、ビルを訪れて初めて感じた強烈な霊気でした。

「こ、これは…機械室か何かですか?」

訊ねるとオーナーは首を横に振り、「いや、以前は設備用の倉庫に使っていたんですが、今は屋内に別のスペースができたんで封鎖しております。もういらん建物だし、消防署やらにウルサイことを言われる前にこっそり取り壊そうかと算段していた頃、ちょうど幽霊騒ぎが起きましてね、そのままほったらかしにしておったんですわ」と。

高倉さんはすぐに「ここが怪しい」と断定し、さっそく扉を解錠させると、内部へ踏み込んでみたわけです。

すると、がらんとした空洞の片隅に何かが置かれているのが目に留まりました。積み重なった機械類の上に黒い布が掛けられた状態の物で、恐る恐るその覆いを外すといずれもビデオ編集関係の専門的な機材であることが分かりました。

奇怪なことにその編集機のうちの一台は、その時もまだ断続的に微かなモーター音を響かせており、よく見ると電源コードが別の機材に繋がったままでした。壊れた編集機に電力を供給していたのは、車載用のバッテリーを持ち運び用に改造したと思しき電源機であったと。

「何じゃ、こりゃ?」と、オーナーが怪訝な声を上げると、そのすぐ後ろにいた社員の一人がハタと気付いたような表情を浮かべ、「コレ、前にウチに入っていた会社の備品じゃないですかね…」と話し始めました。

中年男の幽霊は、5年前に夜逃げをした映像制作会社の置き土産だった?!

社員の話によると以前、地方メディアのCMや企業向けプロモーションビデオなどを作る映像制作会社がビルのテナントとして入居していたそうで、その会社は経営不振が祟って最後は半ば夜逃げのような形で退去したが、機材設備を室内に残したまま経営者が行方をくらましたので後始末にえらい難儀をした、と。

その夜逃げ騒ぎが、ちょうど5年前。つまり幽霊騒ぎが起きる直前だったという事実まで確認し、その場の一同は顔を見合わせました。そして屋上倉庫に放置されていた機材をあらためて詳しく調べたところ、謎の動作と停止を繰り返す壊れた編集機には、SSDタイプの記憶装置が装着されたままになっており、その媒体内部に衝撃的な映像データーが残存していたことまで明らかとなったのです。またこの発見をきっかけに、そのビルでの幽霊出没事件も一応の解決を見ることとなりました

問題の映像データーというのは正味5分程度の短い尺の記録で、中年男性と思われる人影がどこかのビルの屋上から、地上へ向かって投身する様子を撮影した内容のモノであったということです。遠くから望遠レンズで写しているため被写体の細部は朧気でしたが、高倉さんはそれが件の男の霊の生前の姿であることを確信しました。

「今となっては確かめようがないんですが、建物に男の霊が現れるのはそのSSDが入った編集機が一時的に作動している時だけで、機械が停まると幽霊の姿も自動的に消えるということが、およそ5年に渡って繰り返されていたんじゃないかって、推理しました。壊れた編集機材をわざわざバッテリーに繋いだまま、屋上に放置したのは誰なのか、その意図も目的も分かりませんが…」と、高倉さんはそんな風に言葉を濁して話を締めくくりました。

後日、屋上に放置されていた編集機材一式とSSDを預かり、然るべき形で供養を執り行ったところ、それ以降、あれほど頭を悩ませていた霊現象はピタリと止んだそうです。なお、男が自殺する一部始終が映り込んだビデオは、誰がどういう経緯で何のために撮影したモノなのか、5年前に夜逃げをしたという映像制作会社とはどういう関わりがあるのか、さらにそれがどうして屋上の倉庫に放置されるに至ったのか、そうした核心的な事実の一切については、高倉さん自身が語った通り、未だに全く謎のままだそうです。