実家の近所に住む母の知り合いに、たまに自宅でスピリチュアル系のサロンのような集まりを開いている人がおり、ある日、母から「今度、▲▲さん（その人の名）の所にすごく当たる占い師が来るらしいの。良い機会だから、あなたも運勢を見てもらったら？」と誘われました。

言われるまま、当日、そこの家へ出掛けて見てもらったのですが、その時に思いもしなかったことを告げられました。「失礼ですけれどあなた、今までに２回離婚されていますよね。今も付き合っている男性がいるようですが、このままだとまた同じことを繰り返しますよ。結婚運に恵まれないのはお宅の家の先祖因縁が関係していますから、できればすぐにでもお祓いをするべきです」と、そんな内容の鑑定結果だったのですが、私の離婚歴などは事前に分かるにしても、前の２人の旦那の性格のかなり細かい部分まで言い当てられたので、気味が悪くなりました。その占い師が行うお祓いと称するものはかなり高額なようで、取りあえず名刺だけもらって帰ってきたのですが、釈然としない気持ちが残りました。

そんな翌日、職場の同僚に「霊能占い師にこんなことを言われた」と話すと、「気になるなら、念のために別の霊能者にも見てもらったら」と勧められたのが、天啓の経天先生だったというわけです。イタコ出身の稀少な霊能者で、とにかくどんなことでもピタリと当たるし、必要があれば電話越しに祈祷もしてくれて、それもまたよく効くのだとその同僚は手放しで絶賛していました。

さっそく鑑定を申し込んだところ、開口一番に言われたのが、「その占い師が言っていたこと、たしかに前半は当たっています」という言葉でした。「あなたのお母さんも離婚されていますよね。そして母方のお祖母さんも同じでしょう？さすがに三代続けて同じことを繰り返せば、とくに霊感がなくても何かあると思うのが普通です」と。この時点ではまだ自分の家族の事情などは全く伝えていなかったのですが、祖母にも母にも２回ずつの離婚歴があることや、私が女手ひとつで育てられた事実なども見事に言い当てられてしまったのです。同僚が真顔で推薦する理由が分かりました。

ただしその霊視によると、私の結婚運に悪影響を及ぼしているのは先祖の因縁ではなく、実家が建っている土地の因縁だと言うのです。「お宅の敷地は明治時代の頃まで、お寺が所有する土地の一部だったはずです。ちょうど無縁仏の供養塔の跡地に今の家屋が重なっていて、そのことが住む人に悪い影響を与えているのです」との指摘を受けました。そこで図書館にある郷土史資料などを丹念に当たって調べてみると、その通りの事実が明らかになったのです。移転した方が良いのかどうかを含めて現在もご相談を続けていますが、経天先生の見立てでは「浄化供養によって土地の霊障が解消されることは多いが、このケースは供養塔跡地の問題以外にも様々な土地の因縁が複合的に折り重なっているので難しいでしょう」とのことです。今さらながら震撼しています。

（田中唯美さん　35歳　団体職員　神奈川県横浜市）